イェール大学アート・ギャラリー / Yale University Art Gallery

アジアやアフリカの工芸品から現代美術まで幅広い作品を収蔵・展示する美術館です。既存の美術館の増築です。

隣の英国美術研究センターがカーン氏の晩年の作品であるのに対し、こちらは建築家として独立した間もない頃の事実上のデビュー作品です。しかしあちこちに「カーンらしさ」が見られます。

まずはこの建築の特徴とも言える三角形の天井。中には空調や照明等の設備が組み込まれています。これによって自由な展示レイアウトを実現しています。後にカーンは明確に設備スペースを設けた設計をしていますが、既にこの時から考えていたことが分かります。

また階段室も特徴です。コンクリートの円筒形の中で三角形に折り返す階段が続き、上部ではやはり三角形のコンクリート塊が、サイドからの自然光により浮かび上がっているように見えました。

英国美術研究センターや図書館と共に、イェール大学で必ず見るべき建築の一つです。