ブレゲンツ美術館 / Kunsthaus Bregenz

設 計:ピーター・ズントー / Peter Zumthor

所在地:オーストリア ブレゲンツ / Bregenz, Austria

ボーデン湖畔に建つ美術館です。

構造はコンクリートですが、それをうろこのように712枚の曇りガラスで覆っています。

1階の展示室は壁面からこの曇りガラスを通して自然光を取り入れていますが(天井はコンクリート仕上げ)、2階より上の展示室は対照的に壁面には開口部が無く、代わりに天井のガラスパネルを通して自然光を取り入れています。ただしガラスパネルの裏には照明器具もあります。

ガラスの建築というのは、普通は自然光をたくさん取り入れるとか外と中を曖昧にするという目的があるかと思うのですが、ココでは逆に光を抑えて、柔らかい光だけを展示室に取り入れていますね。展示内容にもよりますが、晴天の時はこれでも充分な明るさが得られると思います。

もちろんズントーらしく、ファサードも階段室もドアも誘導灯に至るまで、とても凝った(凝り過ぎ?)ディテールとなっています。

美術館前の広場にあるカフェ・管理棟もズントーによる設計です。本館は「美術品を展示する」という本来の目的に特化するため、これらの機能は分棟としたそうです。カフェでは見学後に一休みしました。昼から飲むビールはおいしいです。

 

< note建築探訪 >

光を絶妙に取り入れるブレゲンツ美術館