神長官守矢史料館 / Jinchokan Moriya Historical Museum
設 計:藤森 照信 / Terunobu Fujimori
諏訪大社上社で祭事を取り仕切っていた神長官守矢家の貴重な史料などを保管・展示する史料館です。
設計は、守矢家のあるこの集落で生まれ育ち、第78代守矢家当主の幼馴染でもあった建築家・藤森照信氏。設計を依頼された当時までは建築史家としては知られていた藤森さんですが、これが建築家デビューとなりました。
神社でもなく民家でもなく外国の建物でもない無国籍風の建物は手造り感もありますが、実際には構造は鉄筋コンクリート。しかし外部の仕上げにはサワラや諏訪地方で産出する鉄平石などを、そして内部の壁も藁を混ぜたモルタルに土を吹き付けるなどして、できるだけ天然の素材を使っています。
とはいえどこかチグハグのような印象も受ける、しかし味わいのある建物。まさにデビュー作にして藤森ワールド全開となっていました。
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