鹿猿狐ビルヂング / SHIKA SARU KITSUNE BUILDING

1716年創業の手績み手織り麻布の老舗である中川政七商店の旗艦店となるビルです。奈良市猿沢池近くのならまちの一画にあります。ビルの名前は中川政七商店のロゴである鹿、テナントとして入る猿田彦珈琲、㐂つね(すき焼き店)から名付けられています。

元からある築100年以上の旧中川家や麻布を保管していた蔵はリノベーションして残し、隣接して新館が建てられました。それらの棟の間は路地や中庭が結んでおり、古都奈良らしい風情があります。また周囲の景観に配慮して、屋根は瓦で仕上げ、さらに庇の高さや軒の出周辺の家と揃えているので、あまり違和感はありません。

一見すると日本建築のようにも見えて、しかし実はしっかりと現代建築であるというとても内藤さんらしい建築でした。

 

< note建築探訪 >

路地と中庭と建築と/鹿猿狐ビルヂング & フュンフ・へーフェ